MEDICAL SUPERVISION
監修:銀座YRクリニック 院長 樋口淳也 医師
東京大学医学博士/整形外科専門医/日本再生医療学会 再生医療認定医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
東京大学大学院にて脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症の病態制御機構を研究し、医学博士を取得。
PRP皮膚再生療法とは
PRP皮膚再生療法とは、自分の血液から血小板を濃縮して顔の皮膚に注入し、線維芽細胞の働きを促すとされる、自己血を用いた治療です。変化は2週間〜3か月かけて現れ始め、半年〜1年で肌質の変化を感じる方もいるとされています。
この記事の要点
- ✓PRPは、ご自身の血液から採取した成分を用いて、肌の状態に働きかけることを目的とした治療です。
- ✓「しこり」や「膨らみすぎ」の多くは、PRPにbFGFを添加した施術で報告されており、日本の美容医療診療指針はこれを推奨していません。銀座YRクリニックでは、PRPにbFGFなどの外来性成長因子を混合いたしません。
- ✓顔のPRPでは、濃度だけでなく、赤血球をどこまで除去するかが、色調変化や炎症のリスクに大きく影響します。
1. PRP皮膚再生療法とは
PRP(Platelet-Rich Plasma/多血小板血漿)とは、ご自身の血液を遠心分離して取り出した、血小板を多く含む成分のことです。血小板には、組織の状態や細胞の増殖に関わるさまざまな成長因子が含まれているとされています。
PRP皮膚再生療法は、このPRPを顔の皮膚に注入し、真皮の線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンをつくる細胞)にはたらきかけるとされる治療です。自己血由来の成分を皮膚に届けることで、肌が本来持つ細胞活動をサポートすることを目的としています。
変化はゆっくりと現れることが多く、自然な経過をたどります。即効性はなく、ボリュームを大きく変える治療でもありません。
PRPに含まれる主な成長因子と、肌への役割
| 成長因子 | 皮膚への主な役割 |
|---|---|
| PDGF 血小板由来成長因子 |
線維芽細胞の増殖を促すと考えられています |
| TGF-β 形質転換成長因子 |
コラーゲンの産生とリモデリングに関わるとされています |
| VEGF 血管内皮成長因子 |
真皮の微小循環に関わるとされています |
| EGF 上皮成長因子 |
表皮細胞のターンオーバーに関わるとされています |
| IGF-1 インスリン様成長因子 |
細胞の生存・増殖に関わる可能性があります |
※ 上記は成長因子について一般に報告されている働きであり、個々の施術結果を示すものではありません。
2. 血小板を濃縮して肌へ直接届ける理由
血小板も成長因子も、もともと体の中にあるもの。それなら、わざわざ取り出す必要はないのでは? カウンセリングでよくいただく質問です。答えは、「量」と「届く場所」にあります。
通常、血液中の血小板は全体のごく一部にすぎません。PRPはそこから血小板を数倍程度に濃縮したものです。また、静脈を流れる血液は体全体を循環するため、成長因子が真皮の線維芽細胞周辺に十分な濃度で届くとは限りません。濃縮したPRPを真皮へ直接注入することで、必要な部位により高い濃度で成分を届けることが期待されています。
濃縮する
血小板と成長因子は全身に散在しています
遠心分離で有効成分を濃縮
局所に届ける
肌の奥(真皮)には成長因子が届きにくい
線維芽細胞のいる層へ直接届ける
はたらきかける
加齢とともに修復サイクルが鈍る
修復サイクルの活性化にはたらきかける
PRPを真皮に注入すると、血小板が活性化して成長因子が放出され、線維芽細胞にはたらきかけるとされています。線維芽細胞がコラーゲンやエラスチンを産生することで、時間をかけて肌の質感が変化していく可能性があると考えられています。
だからこそ、変化には時間がかかります。注入した成分が直接ボリュームを出すのではなく、自分の細胞が新しくコラーゲンをつくるのを待つ治療です。変化が現れはじめるまでに、一般的に2週間〜3か月ほどかかるとされているのは、このためです。
3. 臨床研究から見た効果とエビデンス
PRPは、全員に同じように効く治療ではありません。変化を感じる方もいれば、あまり変化を感じられない方もいます。だからこそ、当院では「あなたに適応があるかどうか」を診察のうえで判断します。
海外の臨床研究
ランダム化比較試験(JAMA Dermatology, 2018)
光老化した顔の皮膚に対し、単回のPRP注入で、生理食塩水と比較してキメ(テクスチャー)の有意な改善が報告されています。一方、色調については有意差が示されませんでした。
メタ解析(9件のRCT・358名/2025年)
皮膚の老化に対するPRPは、患者満足度を有意に改善したと報告されています。安全性も良好とされています。
系統的レビュー・メタ解析(目の周囲/2021年)
目周囲へのPRPは、対照群と比べて満足度の向上が報告されています。平均3回、2〜4週間隔での施術が行われていました。
PRPが向いている悩み・向いていない悩み
PRPが選択肢になりやすい
- ·肌のキメ、質感、ハリ感
- ·目元の小ジワ、ちりめんジワ
- ·毛穴の目立ち、くすみ、肌のトーン
- ·首の肌質
PRPだけでは難しいとされる
- ·深いほうれい線、マリオネットラインなどの陥凹
- ·大きなたるみ
- ·ボリュームを明確に補いたい部位
- ·シミ(色素性病変)そのものの除去
深い陥凹や明確なボリューム不足に対しては、PRP単独では期待に応えられない場合があります。
4. 向いている方 / 受けられない方
こんな方に検討していただけます
- ✓自己血由来の成分を使った治療を希望される方
- ✓ハリ感やくすみが気になるが、何から始めればよいか分からない方
- ✓アレルギー体質で、外来由来成分に不安がある方
- ✓レーザーやメソガンなどの施術に、肌質からのアプローチを加えたい方
- ✓首など、顔以外の露出部位も気になる方
施術をお受けいただけない、または事前の詳細確認が必要な方
IMPORTANT
- —血液凝固異常・血液疾患(血友病など)をお持ちの方
- —活動性の感染症、注入部位に炎症・皮膚疾患がある方
- —妊娠中・授乳中の方
- —ステロイドの長期服用中・抗凝固薬服用中の方
- —血液由来のウイルス感染症(HIV・HCV・HBVなど)のある方
- —悪性腫瘍の治療中、または治療後間もない方(担当医への確認が必要です)
- —過去に、注入部位へヒアルロン酸などの異物注入歴がある方(詳細な確認が必要です)
受診前に、服薬中のお薬・既往歴・これまでに受けた美容施術の内容をご確認のうえ、カウンセリング時に医師へお伝えください。
5. 副作用・リスク
PRP皮膚再生療法は自己血由来の成分を用いるため、外来物質に対するアレルギーのリスクは低いとされています。ただし、リスクがゼロになるわけではありません。
PRP施術後のしこりや膨らみトラブルについて
「PRP しこり」「ぷるぷる注射 やばい」——こうした言葉で検索された方も多いと思います。この不安には、明確な背景があります。
PRP療法には、自己血由来の成分のみを使用するものと、効果を高める目的でbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子/トラフェルミン)という薬剤を添加するものがあります。日本の美容医療診療指針は、bFGFを添加したPRP療法について硬結や膨隆といった合併症の報告を踏まえ、「行わないことを弱く推奨する」と位置づけています。また、ヒアルロン酸と異なり、溶かして戻す薬剤が存在しない点も知っておくべき情報です。
当院の方針
銀座YRクリニックでは、PRPにbFGFなどの外来性成長因子を混合しません。使用するのは、患者さまご自身の血液から得られた成分のみです。
※ この方針は、合併症リスクをゼロにするという意味ではありません。自己血由来のPRPであっても、腫れ・赤み・内出血・痛み・感染・炎症・硬結などが起こる可能性があります。
施術後の注意点
当日は激しい運動・サウナ・飲酒をお控えください。メイクの再開時期は施術内容により異なりますので、施術後にご案内します。内出血が出た場合、コンシーラーでカバーできる程度に落ち着くまで数日〜1週間程度を見込んでください。
6. 同じPRP注射でも、PRPの調整方法や濃度はクリニックによって違います
PRPは、作製方法・血小板の濃度・白血球や赤血球の含有量・注入する層と量によって、実際の中身が変わります。名称が同じでも、医療機関によって設計はまったく異なります。
実際、75件のランダム化比較試験(5,726名)を対象とした国際的なレビューでは、PRPの作製方法に大きなばらつきがあることが指摘されています。同レビューでは、作製時の適切な温度管理とPRPの有効性の間に正の相関が報告されており、初期の血小板数との相関も示されています。
つまり、「どう作るか」が「結果に影響する可能性がある」ということです。
顔だからこそ重視するのは「赤血球の除去」です
顔に求められるのは、「強さ」ではなく「精度」です。最初から高濃度・白血球多めの設計を選ぶと、かえって炎症反応が強まる可能性があります。
血小板の濃度
高純度・安定を重視します。ただし「高ければ高いほどよい」わけではありません。
白血球の量
最小限に抑えます(LP-PRP)。顔は炎症に敏感な部位です。白血球が多いと、炎症反応が強く出る可能性があります。
赤血球の除去
極限まで除去します。赤血球が多く混入すると、注入部位の色調変化・腫れ・炎症反応に関わる可能性があります。顔・首では特に重要です。
当院のPRPで大切にしている3点
再生医療等提供計画 届出受理
銀座YRクリニックは、顔(PC3250241・PC3250242)・関節(PB3250225)・頭皮の3領域で届出が受理されています。
クリニックを比較検討される際は、「その部位の届出があるか」をご確認いただくことをお勧めします。
7. 当院の施術の流れ
完全予約制・完全個室。標準的な所要時間は約60〜90分です。
問診・カウンセリング(約20分)
担当医師が、肌の状態・お悩み・既往歴・服薬状況・過去の治療歴を確認します。
採血(約5分)
肘の静脈から採血します。通常の健康診断と同じ手順です。
PRPの作製(約15〜20分)
遠心分離し、顔向けの設計——白血球を最小限に抑え、赤血球を極限まで除去——でPRPを作製します。院内で作製し、その日のうちに投与します。
麻酔クリーム(約20分)
施術前に局所麻酔クリームを使用し、痛みを軽減します。
注入(約15〜20分)
顔全体にはメソガン(U225)による注入を中心としています。極細針で注入の深さと量を均一に管理できるため、ムラを抑え、痛みの軽減にもつながります。目の下・首については手技による注入で行います。
術後確認・アフターケアのご説明(約5〜10分)
メイク・洗顔・運動・飲酒の再開時期をご説明します。
変化のタイムラインについて
※ 効果には個人差があります。すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
8. よくある質問(FAQ)
PRPで顔にしこりができることはありますか?
PRPで報告されている「しこり」や「膨らみすぎ」の多くは、PRPにbFGF(成長因子製剤)を添加した施術で生じています。日本の美容医療診療指針は、bFGF添加PRPを「行わないことを弱く推奨する」とし、適正使用とは言えないと明記しています。当院ではbFGFを混合せず、自己血由来の成分のみを使用しています。ただし自己血由来のPRPでも、硬結が生じる可能性はゼロではありません。
PRP皮膚再生療法の効果はいつから出ますか?
PRP皮膚再生療法の変化は、一般的に2週間〜3か月かけて現れはじめるとされています。注入した成分が直接ボリュームを出すのではなく、自分の線維芽細胞がコラーゲンを産生するのを待つ治療のため、即効性はありません。半年〜1年で肌質改善を実感する方が多いとされています。
PRPは何回受ければいいですか?
肌の状態・目的により異なりますが、効果が弱まる場合は再投与が可能です。回数・間隔は診察のうえ医師が判断します。
PRPとヒアルロン酸は何が違いますか?
目的と作用が異なります。PRPは自己血由来の成分を用いて自分の肌の修復力にはたらきかける治療で、変化は時間をかけて現れます。ヒアルロン酸はゲル状の充填材を注入する治療で、それぞれ得意とする悩みや適応が異なります。どちらが適しているかは、肌の状態や目的によって異なりますので、診察のうえでご提案します。
PRPのダウンタイムはどのくらいですか?
PRPのダウンタイムは、注入部位の赤み・腫れ・内出血が数日〜1週間程度とされています。針痕や凹凸感は通常2〜3日で目立たなくなります。
以前受けたPRPで変化を感じませんでした。もう一度受ける意味はありますか?
以前PRPを受けて変化を感じなかった場合、当院ではまず診断そのものを確認します。診断が適応と異なっていれば、どれだけ良いPRPを使っても、良い結果を期待することは難しいためです。また、PRPは白血球の量・赤血球の除去・作製方法・注入する層によって内容が異なります。
PRP皮膚再生療法の費用はどのくらいですか?保険は使えますか?
PRP皮膚再生療法は自由診療であり、保険適用外です。費用は施術範囲・使用するPRPの量によって異なります。当院の詳しい料金は、カウンセリング時にご案内しております。
院長コメント
整形外科専門医として、私はPRPを関節や腱の治療に用いた経験があります。東京大学大学院にて脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症の病態制御機構を研究し、医学博士を取得しました。
私はPRPを「単純に注入するだけの治療」ではなく、「治療計画を設計する医療」として捉えています。
現時点で、PRPは劇的にお顔を変える治療ではありません。公的なガイドラインでも、効果は限定的だと述べられています。一方で、PRPにはより自然な形で肌の状態を改善させることができる可能性があると考えています。
期待できることと、できないこと。その両方を最初にお伝えしたうえで、それでも受けたいと思っていただけたなら——そのときは、丁寧に治療計画を設計します。
樋口淳也 医師 銀座YRクリニック 院長
東京大学大学院にて脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症の病態制御機構を研究し、医学博士を取得。
整形外科専門医/日本再生医療学会 再生医療認定医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
GINZA YR CLINIC — 銀座
できることと、できないこと。その両方を、最初にお伝えします。
院長・樋口淳也が、肌の状態と過去の施術歴を確認したうえで、PRPが本当に適応となるかを診断します。
施術に関する情報(メソガン/U225)
治療内容
フランス製の電動マイクロ注入機(U225)を用い、1秒間に約7ショット・1回最大1万ショット以上の速さで美容成分を皮膚の最適層に均一に注入する施術です。使用薬剤はPRP・エクソソーム・臍帯セクレトーム等。
治療期間・回数
4〜6週間おきの治療を推奨。約30分〜1時間/回。
費用
メソガン本体(全顔):1回 ¥96,800 / 3回 ¥261,360 / 6回 ¥493,680
※ 使用薬剤によって別途費用が発生します(各薬剤の料金をご参照ください)
※ 別途:初診料 ¥3,300 / 再診料 ¥2,200
副作用・リスク
当日は赤みやむくみが出る場合があります(通常数時間〜3日ほどで落ち着きます)。まれに内出血が出る場合があります(通常1週間ほどで消失)。使用薬剤によるアレルギー反応が生じる場合があります。
未承認医療機器に関する明示事項
- 本治療に使用するメソガン(U225)は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない未承認医療機器です。
- 本機器は、医師が個人輸入により入手したものです。(参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」)
- 同一の性能を有し、本治療と同一の目的で承認された国内承認医療機器等はありません。
- 本機器は欧州において医療機器としてCE認証を受けていますが、日本国内においては安全性・有効性が十分に確認されたものではありません。施術により、注入部位の赤み、腫れ、痛み、内出血、出血、感染、色素沈着、瘢痕、アレルギー反応等が生じる可能性があります。
- 万が一重篤な副作用または健康被害が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
参考文献
- 日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会・JSAPS. 美容医療診療指針(厚生労働科学研究). 第2章 第5節 シワ・タルミに対する多血小板血漿(PRP)療法.
- Alam M, Hughart R, Champlain A, et al. Effect of Platelet-Rich Plasma Injection for Rejuvenation of Photoaged Facial Skin: A Randomized Clinical Trial. JAMA Dermatol. 2018;154(12):1447–1452.
- Meta-Analysis of the Efficacy of Platelet-Rich Plasma in Treating Skin Aging. Aesthetic Surgery Journal Open Forum. 2025.
- Rejuvenating the Periorbital Area Using Platelet-Rich Plasma: A Systematic Review and Meta-Analysis. Arch Dermatol Res. 2021.
- Systematic Review of Platelet-Rich Plasma in Medical and Surgical Specialties: Quality, Evaluation, Evidence, and Enforcement. J Clin Med. 2024.
- 厚生労働省. 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法).
監修情報
監修:銀座YRクリニック 院長 樋口淳也
東京大学大学院にて脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症の病態制御機構を研究し、医学博士を取得。整形外科専門医/日本再生医療学会 再生医療認定医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
本記事は医療広告ガイドラインおよび薬機法に基づき、断定的な効果保証を行っていません。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。PRP皮膚再生療法は自由診療(保険適用外)です。



