再生医療 / 薄毛治療 | 頭皮シリーズ #1
自己血から血小板を濃縮し、頭皮へ直接届ける。PRP頭皮注射の仕組みと適応を、再生医療認定医が解説します。
監修:銀座YRクリニック 院長 樋口淳也 医師
東京大学医学博士/整形外科専門医/日本再生医療学会 再生医療認定医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター。東京大学大学院にて脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症の病態制御機構を研究し、医学博士を取得。
PRP頭皮注射とは、ご自身の血液から血小板を濃縮して取り出し、頭皮に直接注入する自己血を用いた治療です。自己血由来のため異物反応のリスクは低いとされていますが、施術後の経過や効果、副作用には個人差があります。変化は3〜6か月単位で現れることが多く、3〜4か月ごとの継続が基本とされています。
※ 本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の効果を保証するものではありません。
この記事の要点
- ✓PRP頭皮注射は、ご自身の血液から取り出した血小板と成長因子を頭皮に届ける治療
- ✓適応はAGA・FAGA・びまん性脱毛症で、毛根が残っている段階が前提
- ✓同じ「PRP」でも、白血球の量・作製方法・注入設計によって中身は異なる
- ✓PRPは、国に届出を行い受理された医療機関のみが提供できる(届出は部位ごとに必要)
- ✓銀座YRクリニックは顔・関節・頭皮の3領域で届出が受理されています
1. PRP頭皮注射とは|自己血から血小板を濃縮する治療
PRP(Platelet-Rich Plasma/多血小板血漿)とは、自分の血液を遠心分離して取り出した、血小板を多く含む成分のことです。血小板には、組織の状態や炎症の調整に関わるさまざまな成長因子が含まれているとされています。
PRP頭皮注射は、採血した血液からこのPRPを作製し、薄毛が気になる部位の頭皮へ直接注入する治療です。内服薬や外来の物質を用いる治療とは異なり、自己血液由来の成分を活用するアプローチです。自分の血液から取り出した成分を濃縮し、必要な部位へ直接届ける。それがPRP頭皮注射の基本的な仕組みです。
PRPは整形外科領域(関節・腱)で先に臨床応用が進み、その後、美容医療領域と毛髪治療領域へと広がってきました。頭皮領域については、AGA・FAGAにおける毛髪密度や毛幹径への影響を示す報告が複数のシステマティックレビューに見られます。ただし研究ごとに作製方法や投与回数にばらつきがあるため、現時点では検討される選択肢のひとつとして位置づけられています。
PRPに含まれる主な成長因子と、毛根への役割
※ 成長因子の働きは研究報告に基づく一般的な説明であり、個々の治療効果を示すものではありません。
2. なぜ血小板を濃縮して、頭皮へ直接届けるのか
血小板も成長因子も、もともと自分の体の中にあるもの。それなら、わざわざ取り出す必要はないのでは? カウンセリングでよくいただく質問です。
答えは、「量」と「届く場所」にあります。通常、血液中の血小板は全体のごく一部にすぎません。PRPはそこから血小板を数倍程度に濃縮したものです。
また、静脈を流れる血液は体全体を循環するため、成長因子が頭皮の毛包周辺に十分な濃度で届くとは限りません。濃縮したPRPを頭皮へ直接注入することで、必要な部位により高い濃度で成分を届けることが期待されています。
PRPを頭皮に注入したときに起こるとされる4つの反応
薄毛が進行するとき、毛根の幹細胞(バルジ領域)そのものはまだ生きているにもかかわらず、毛乳頭への血流低下・DHT(ジヒドロテストステロン)の蓄積・頭皮の慢性的な微小炎症などによって成長因子の供給が細り、ヘアサイクルが乱れていくと考えられています。PRPを頭皮に注入すると、血小板が活性化して成長因子が局所に放出され、次のような反応が起こるとされています。
血小板由来の成長因子(PDGF)が、細胞の増殖・分化を調節するシグナル経路(Wnt/β-cateninシグナル)を介して毛根幹細胞の増殖を促す可能性があると考えられています。
血管の新生・拡張に関わる成長因子(VEGF)が毛乳頭周囲の毛細血管に働きかけ、毛根への酸素と栄養の供給が改善する可能性があるとされています。
細胞の生存・成長を促す因子(IGF-1)が細胞の自然死(アポトーシス)を抑え、毛髪が休止期に入るタイミングを遅らせる可能性があると考えられています。
炎症の調整に関わる因子(TGF-β)が毛根周囲の慢性的な炎症を抑え、毛根の環境が整う可能性が報告されています。
毛根は、慢性的な微小炎症にさらされやすい場所です。だからこそ頭皮へのPRPは、一度で終わらせる治療ではなく、頭皮の環境を継続的に整えていくという考え方に基づいた治療です。
3. PRP頭皮注射で期待できる効果と、適応とされる薄毛
エビデンス 中〜高
毛髪密度・毛幹径の改善が報告されています
エビデンス 中
分け目の広がりやボリューム感の変化が報告されています
エビデンス 低〜中
毛根環境の変化が報告されているケースがあります
PRP頭皮注射は「毛根が残っていること」が前提です。毛根が完全に萎縮・線維化した部位では、効果は期待しにくいとされています。「産毛が増えた」「頭頂部が透けてきた」と感じた段階——つまり毛根がまだ生きている早期こそ、相談すべきタイミングです。
※ 本記事のエビデンス表現は、薬機法および医療広告ガイドラインに基づき、断定的な効果保証を行っていません。効果には個人差があります。
4. PRP頭皮注射が向いている方・受けられない方
こんな方に検討していただけます
- ✓AGA・FAGAの初期〜中等度で、毛根がまだ活性化している段階の方
- ✓頭頂部や生え際に産毛・軟毛が増えてきた方
- ✓育毛剤や内服薬を続けているが、変化を感じにくい方
- ✓内服薬に加えて、毛根へ直接アプローチする選択肢を検討したい方
- ✓頭皮の炎症・かゆみが気になり、頭皮環境から整えたい方
- ✓産後や強いストレス後の抜け毛が続いている方
- ✓植毛の前後に、地毛の維持を目的として検討したい方
施術をお受けいただけない、または事前の詳細確認が必要な方
- •血液凝固異常・血液疾患(血友病など)をお持ちの方
- •活動性の感染症、頭皮に強い炎症がある方
- •妊娠中・授乳中の方
- •ステロイドの長期服用中・抗凝固薬服用中の方
- •血液由来のウイルス感染症(HIV・HCV・HBVなど)のある方
- •悪性腫瘍の治療中、または治療後間もない方(担当医への確認が必要です)
- •頭皮が著しく瘢痕化・線維化し、毛根が確認できない方
受診前に、服薬中のお薬と既往歴をご確認のうえ、カウンセリング時に医師へお伝えください。
5. PRP頭皮注射の副作用・リスク
PRP頭皮注射は自己血由来の成分を用いるため、外来由来成分に対するアレルギーのリスクは低いとされています。ただし、リスクがゼロになるわけではありません。以下のような反応が生じる場合があります。
当日は激しい運動・サウナ・飲酒をお控えください。翌日からの通常の洗髪は可能です。頭皮を強くこする・掻くといった刺激は、2〜3日ほどお控えいただくことをお勧めします。
6. 同じPRP注射でも、調整方法や濃度はクリニックによって違います
PRP頭皮注射を検討される方から、こんな声をよく聞きます。「クリニックによって、内容が違うのではないですか?」
率直に申し上げると、違います。PRPは、作製方法・血小板の濃度・白血球や赤血球の含有量・注入する深さと量によって、実際の中身が変わります。名称が同じでも、医療機関によって設計は異なります。
「濃度」と「白血球の量」は、別の話です
PRPの特徴は、血小板の濃度だけで決まるものではありません。もうひとつ重要なのが、白血球をどれだけ含ませるかです。
白血球を多く含むPRPと、白血球を少なく抑えたPRP(LP-PRP)があります。「濃度が高いほど良い」「白血球が多いほど効く」というものではありません。最初から高濃度・白血球多めの設計を選ぶと、かえって炎症反応が強まる可能性があります。
頭皮は、慢性的な微小炎症にさらされやすく、かつ繰り返し治療を続けていく部位です。そのため銀座YRクリニックでは、頭皮に対しては白血球を最小限に抑え、赤血球の混入も可能な限り除去した、繰り返しに適した温和な設計を基本としています。強さではなく、続けられる精度を優先する。それが頭皮領域における銀座YRクリニックの考え方です。
銀座YRクリニックのPRPで大切にしている3点
採血から作製、投与までを院内で一貫して行い、その日のうちに投与します。作製に時間を要する凍結乾燥(FD)製剤は使用しません。
銀座YRクリニックのPRPは、患者さまご自身の血液から得られた成分のみで構成されます。
作製から投与まで、日本再生医療学会 再生医療認定医の管理のもとで行います。
見落とされがちですが、PRPは「届出」が必要な医療です
PRPは、国に届出を行い、受理された医療機関だけが提供できる再生医療です。届出がなければ、提供することはできません。さらに重要なのは、この届出が「部位ごと」に必要であるという点です。顔の届出だけを持っていても、頭皮や関節にPRPを行うことはできません。
銀座YRクリニックは、顔・関節・頭皮の3領域で届出が受理されています。
※「届出済み」という事実は、国が効果を承認したという意味ではなく、法定手続きを履行している医療機関であることを示します。
クリニックを比較検討される際は、「その部位の届出があるか」をご確認いただくことをお勧めします。
7. 銀座YRクリニックのPRP頭皮注射|施術の流れ
銀座YRクリニックのPRP頭皮注射は、完全予約制・完全個室で行っています。標準的な所要時間は約60〜90分です。
担当医師が、薄毛の進行度・既往歴・服薬状況・これまでの治療歴を確認します。頭皮カメラで毛根の状態を可視化し、PRPが適応となるか、期待できる範囲はどこまでかをご説明します。
肘の静脈から採血します。通常の健康診断と同じ手順です。採取量は、頭皮の範囲と薄毛の程度に応じて医師が決定します。
採取した血液を遠心分離し、頭皮向けの設計(白血球を最小限に抑え、赤血球を可能な限り除去)でPRPを作製します。院内で作製し、その日のうちに投与します。
痛みが気になる方には、局所麻酔を使用します。不要な方はこのステップを省略できます。
細い針を用い、薄毛の気になる部位に均等に注入します。注入の深さと量を細かく管理するため、銀座YRクリニックではメソガン(U225)による導入を提供しています。
頭皮の状態を確認し、洗髪・運動・飲酒の再開時期と自宅でのケアをご説明します。次回のタイミングもここでお伝えします。
頭皮のPRPは、3〜4か月ごとの継続を基本としています。変化は6か月単位で現れることが多いため、短期での判断はせず、頭皮カメラで経過を確認しながら進めます。内服薬との併用も推奨しています。回数・間隔は頭皮の状態により医師が判断します。
8. PRP頭皮注射のよくある質問(FAQ)
Q. PRP頭皮注射は、どんな薄毛に向いていますか?
A. PRP頭皮注射が向いているとされるのは、AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性型脱毛症)・びまん性脱毛症のうち、毛根がまだ残っている初期〜中等度の段階です。頭頂部や生え際に産毛・軟毛が増えてきた時期が、相談に適したタイミングとされています。毛根が完全に萎縮した部位では効果が期待しにくいため、早めの受診をお勧めします。
Q. PRP頭皮注射の効果はいつから出ますか?
A. PRP頭皮注射の変化は、3〜6か月単位で現れることが多いとされています。毛髪のヘアサイクルそのものが数か月単位で動くため、即効性のある治療ではありません。施術後1〜2か月に一時的な抜け毛の増加がみられることがありますが、その後に回復するケースが多いとされています。効果には個人差があります。
Q. PRP頭皮注射は何回くらい続けるものですか?
A. PRP頭皮注射は、銀座YRクリニックでは3〜4か月ごとの継続を基本としています。頭皮は繰り返し環境を整えていく部位のため、一度で完結する治療ではありません。回数と間隔は、薄毛の進行度・原因・頭皮の状態によって異なるため、毎回の施術前に頭皮カメラで確認しながら医師が調整します。
Q. PRP頭皮注射は痛いですか?
A. PRP頭皮注射は、細い針を使用するため注入時に軽い刺激を感じることがありますが、多くの方が許容できる程度とされています。銀座YRクリニックではご希望に応じて局所麻酔クリームを使用します。施術後に軽い熱感や張り感が出ることがありますが、通常は1〜2日で落ち着きます。
Q. PRP頭皮注射の副作用・リスクは何ですか?
A. PRP頭皮注射の主な副作用は、注入部位の一時的な発赤・腫れ・内出血・熱感で、通常1〜3日ほどで落ち着きます。自己血由来のため外来由来成分に対するアレルギーリスクは低いとされていますが、感染・痛みの遷延・硬結などが起こる可能性はゼロではありません。血液凝固異常・活動性の感染症・妊娠中の方は施術をお受けいただけない場合があります。
Q. PRPとAGA内服薬(フィナステリドなど)は併用できますか?
A. PRPとAGA内服薬は、作用の仕方が異なるため、併用が推奨されています。内服薬がDHT(ジヒドロテストステロン)の産生に働きかけるのに対し、PRPは毛根そのものの環境に直接アプローチします。銀座YRクリニックでは、内服薬との併用を含めた治療計画をカウンセリングでご提案しています。
Q. PRP頭皮注射の費用はどのくらいですか?保険は使えますか?
A. PRP頭皮注射は自由診療であり、保険適用外です。銀座YRクリニックのプレミアムPRP頭皮注射は1回286,000円(税込)からとなります(施術範囲・オプションにより異なる場合があります)。詳細はカウンセリング時にあらためてご案内しております。なお、初診料3,300円、再診料2,200円が別途かかります。現時点で公的医療保険にPRP頭皮注射は含まれていません。
Q. メソガンとPRPは何が違いますか?
A. メソガンとPRPは、目的が違います。PRPは「何を入れるか」——つまり自己血から作った成長因子そのものを指します。メソガン(U225)は「どう入れるか」——注入の深さと量を均一に管理するための手段です。銀座YRクリニックでは、PRPをメソガン(U225)で頭皮に導入することも選択肢のひとつとしています。
院長コメント
整形外科専門医として、私はPRPを関節や腱の治療に用いた経験があります。東京大学大学院にて脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症の病態制御機構を研究し、医学博士を取得しました。
私はPRPを「単純に注入するだけの治療」ではなく、「治療計画を設計する医療」として捉えています。
「他院でPRPを受けたが、効果がなかった」——そうおっしゃる方が来られたとき、私が最初に確認するのは診断です。診断が適応と異なっていれば、良い結果を期待することは難しい。それは、どんなに良いPRPを使っても変わりません。
そして、「PRPは怖い」と感じている方へ。PRPは比較的新しい治療ではありますが、自己血由来のため外来由来成分に対するアレルギーリスクが低いとされており、安全性に関する報告が蓄積されてきた治療です。もちろんリスクはゼロではありませんが、従来の治療を続けてきたけれど変化を感じにくい——そうした方こそ、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
毛根は、一度萎縮すると戻りにくいため、早期にご相談いただくことが重要です。産毛が増えた、頭頂部が透けてきた——その段階で構いません。まずは頭皮の状態を診るところから、始めさせてください。
樋口淳也 医師 銀座YRクリニック 院長
東京大学医学博士/整形外科専門医/日本再生医療学会 再生医療認定医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
薄毛は、早い段階ほど選択肢が多い。
院長・樋口淳也が頭皮カメラで毛根の状態を確認し、PRP・メソガン・内服薬など、適した組み合わせをご提案します。
完全予約制|東京・銀座|自由診療(保険適用外)|AirReserve
当日は赤みやむくみが出る場合があります(通常数時間〜3日ほどで落ち着きます)。まれに内出血が出る場合があります(通常1週間ほどで消失)。使用薬剤によるアレルギー反応が生じる場合があります。
- ① 本治療に使用するメソガン(U225)は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない未承認医療機器です。
- ② 本機器は、医師が個人輸入により入手したものです。(参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」)
- ③ 同一の性能を有し、本治療と同一の目的で承認された国内承認医療機器等はありません。
- ④ 本機器は欧州において医療機器としてCE認証を受けていますが、日本国内においては安全性・有効性が十分に確認されたものではありません。施術により、注入部位の赤み、腫れ、痛み、内出血、出血、感染、色素沈着、瘢痕、アレルギー反応等が生じる可能性があります。
- ⑤ 万が一重篤な副作用または健康被害が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
参考文献
- Hausauer AK, Jones DH. A Double-blind, Placebo-controlled Pilot Study Evaluating the Efficacy of Platelet-rich Plasma. J Am Acad Dermatol. 2020.
- Giordano S, et al. A Meta-analysis on Evidence of Platelet-rich Plasma for Androgenetic Alopecia. Int J Trichology. 2018.
- Gupta AK, et al. Platelet-rich Plasma as a Treatment for Androgenetic Alopecia. J Cosmet Dermatol. 2019.
- 日本皮膚科学会. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン. 2023年版.
- 厚生労働省. 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法).
監修:銀座YRクリニック 院長 樋口淳也(東京大学医学博士・整形外科専門医・日本再生医療学会認定医・スポーツ医学認定医)
本記事は医療広告ガイドラインおよび薬機法に基づき、断定的な効果保証を行っていません。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。PRP頭皮注射は自由診療(保険適用外)です。


