膝関節再生医療と再生美容を提供する銀座のクリニック

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白血球はPRP膝治療の味方か、敵か?

膝関節へのPRP注射と白血球の役割をテーマにしたイメージ
PRPに残る白血球は、修復を助けるのか、炎症を強めるのか

2026年に発表された解析では、2,254人分のデータをもとに、白血球を多く含むPRPと、白血球を減らしたPRPが比較されました。効果に明確な差は見られませんでしたが、注射後の数日間の過ごしやすさには違いが出る可能性が示されています。

白血球を残すPRPと、白血球を除くPRP

PRP(多血小板血漿)は、患者さんご自身の血液から、修復に関わる成分を遠心分離で濃縮し、膝の関節内に注射する治療です。

ただし、血小板と白血球は比重が近いため、遠心分離だけでは完全に分けることができません。そのため、できあがったPRPには白血球がある程度含まれ、血小板と一緒に関節内に入ることになります。

遠心分離によって血液から多血小板血漿(PRP)を分離する工程のイメージ
血小板と白血球は比重が近く、遠心分離だけでは完全に分けられない

そこで生まれるのが、次の疑問です。関節内に入った白血球は、修復を助けているのでしょうか。それとも、炎症を強めているのでしょうか。

この考え方の違いが、そのままPRPの作り方の違いになりました。

01

白血球には意味があると考え、そのまま残す

02

白血球は負担になると考え、できるだけ取り除く

その結果、白血球を多く含むL-PRPと、白血球を減らしたLP-PRPという2つのタイプが、どちらも臨床で使われています。どちらの主張にも根拠があり、患者さんの側からは判断がつきにくい状態が10年以上続いてきました。

白血球を残す考え方

白血球、とくに単球や好中球は、治癒反応を始めるために欠かせない細胞とされています。修復はもともと炎症から始まります。そのため、炎症に関わる成分を徹底的に取り除いてしまうと、その後の再生反応が起こりにくくなるのではないか、というのが白血球を残す側の考え方です。

白血球を除く考え方

一方で、白血球(特に好中球)は、IL-1βやTNF-αといった炎症を促す物質(炎症性サイトカイン)や、組織を分解する酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ/MMP)を放出します。関節腔は狭く閉じた空間であるため、これらが滑膜の炎症を強めたり、注射後の痛みにつながったりすることが考えられます。場合によっては、軟骨のすり減りを早める可能性も指摘されてきました。

LP-PRPは、白血球を減らすことで炎症のリスクを抑え、血小板が放出する成長因子の働きを活かす。同時に、患者さんの負担も軽くする。そうした考え方から設計されたPRPです。

2026年2月の解析:白血球の有無は、効果を左右する主な要因ではなかった

2026年2月に発表されたネットワークメタ解析では、2025年10月までに検索された21件のランダム化比較試験、合計2,254人のデータがまとめられました(検索対象はPubMed、Embase、Cochrane CENTRAL、Web of Science。言語の制限は設けられていません)。

この解析では、次の4種類の注射が同じ枠組みの中で比較されています。

  • L-PRP:白血球を多く含むPRP
  • LP-PRP:白血球を減らしたPRP
  • ヒアルロン酸注射:臨床でよく使われる関節注射
  • 生理食塩水:有効成分を含まない対照

1. 6ヶ月の時点では、どちらのPRPも生理食塩水より良い結果だった

治療から6ヶ月の時点で、WOMACスコアは生理食塩水群と比べて、L-PRP群で約15.7ポイント、LP-PRP群で約15.3ポイント良好でした。いずれも、この研究があらかじめ設定したMCID(患者さん本人が違いを実感できる最小の変化幅で、9〜12ポイント)を超えています。ヒアルロン酸も生理食塩水より良い結果でしたが、差は約7.1ポイントにとどまりました。

生理食塩水と比べたWOMACスコアの差(6ヶ月時点)
注射の種類 生理食塩水との差
L-PRP 約15.7ポイント
LP-PRP 約15.3ポイント
ヒアルロン酸 約7.1ポイント

※WOMACは、膝の痛み・動かしやすさ・日常動作について患者さんご自身が回答する質問票で、膝関節の研究で広く使われている評価指標です。

2. 2つのPRPの間には、はっきりした差が見られなかった

機能スコアで見た両者の差は0.45ポイント(95%信頼区間 −6.44〜5.53)でした。この程度の幅は偶然の変動としても説明できるため、どちらが優れているかを判断できる差ではありません。

論文の中のランキングではLP-PRPがL-PRPより上位に置かれています。ただし両者の推定範囲は大きく重なっており、この順位で優劣を語ることはできないというのが、著者の判断です。

痛みについても、結果はほぼ同じでした。生理食塩水と比べた改善幅は、LP-PRPで約11.1ポイント、L-PRPで約10.8ポイント。直接比較しても、はっきりした差はありませんでした。

著者は、この結果は「白血球は関節内の治癒反応に欠かせない」という見方に疑問を投げかけるものであり、実際に働いているのは主に血小板が放出する物質のほうではないか、と述べています。

白血球の多いPRPでは、注射後の痛みや腫れの報告が多かった

効果に大きな差がない一方で、治療後の感じ方には違いが見られました。L-PRPを注射した方では、膝の局所的な痛みや腫れが報告される頻度が高い傾向がありました。L-PRPに含まれる好中球が炎症を促す物質を放出し、関節の内側にある滑膜を一時的に刺激して、関節液の産生が増えることが背景にあると考えられています。

整形外科専門医が膝関節の状態を診察している様子
注射後に起こりうる反応と、その過ごし方をあらかじめ確認しておく(銀座YRクリニック)

ただし、この点には注意が必要です。副作用の記録方法が研究ごとに統一されておらず、数値としてまとめることができなかったため、著者は「傾向として観察された」という書き方にとどめています。論文の結論も、どちらか一方を勧めるには根拠が足りない、というものです。

そうなると、選ぶときの基準そのものが変わってきます。「どちらがより効くか」ではなく、「どちらがこの先の予定に合うか」「どちらが治療後に過ごしたい状態に近いか」。判断の軸は、そちらに移ります。

PRPを受ける前に、医療機関に確認しておきたい5つのこと

  1. 01
    白血球を含むPRPか、白血球を減らしたPRPか
  2. 02
    どの機器や方法で作るのか。濃度は測定して記録されるのか
  3. 03
    注射のあとに起こりうる痛みや腫れと、その対処方法
  4. 04
    ご自身の膝が今どの段階にあるのか(画像による確認が必要です)
  5. 05
    いつ効果を判断し、そのあとをどう組み立てるのか

銀座YRクリニックの膝関節PRP療法

銀座YRクリニック院内
銀座YRクリニック院内

当院院長の樋口淳也は、東京大学大学院医学系研究科の博士課程を修了し、幹細胞研究に従事してきた整形外科専門医です。日本再生医療学会認定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格を併せ持ち、外来診療は20,000例以上、執刀は1,000例以上の経験があります。

当院の膝関節PRP療法は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づいて、厚生労働省に再生医療等提供計画を提出し、受理されています。日本では、PRPの関節内注射はこの受理を経てはじめて、法律に沿って提供できることになっています。

再生医療等提供計画番号

PB3250225

PRPを用いた慢性関節炎治療・第二種再生医療

※提供計画が受理されているという事実は、国が効果を承認したという意味ではなく、法律で定められた手続きを行っている医療機関であることを示すものです。

膝の治療方針は、関節の状態と生活のリズムの両方をふまえて考える必要があります。はっきりとした痛みが出る前の段階でも、どうぞご相談ください。選べる方法がいちばん多く残っているのは、多くの場合その段階です。

費用とリスクについて

費用(自由診療・税込)

PRP関節注射(片膝) 1回 264,000円〜

初診料 3,300円・再診料 2,200円が別途かかります。

施術範囲やオプション、複数回のセットによって金額は異なります。詳細はカウンセリング時にご案内しております。

本治療は自由診療(保険適用外)です。注射を伴う治療ですので、注射部位の痛み、腫れ、内出血が起こることがあり、まれに感染の可能性もあります。効果の現れ方には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。適応かどうかは、診察と画像評価のうえで判断いたします。

銀座YRクリニック

東京・銀座/完全予約制・自由診療

ご予約:https://airrsv.net/yrclinic/calendar
お電話:03-6263-9219

免責

※本記事は、PRPという治療領域における現時点での研究状況を整理したものであり、当院の治療効果を説明するものではありません。適応かどうかは診察のうえで判断いたします。

※本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、特定の治療効果を保証するものではありません。

出典

Xu B, Huang X, Su X, Fu Y, Feng S, Zhou Y, Gong L, Yan J. Leukocyte-rich versus leukocyte-poor platelet-rich plasma and hyaluronic acid for knee osteoarthritis: a systematic review and network meta-analysis. J Orthop Surg Res. 2026;21:222.

DOI: 10.1186/s13018-026-06689-4(2026年2月2日オンライン公開・オープンアクセス/全文無料閲覧可)

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